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MO’SOME TONEBENDER『Strange Utopia Crazy Kitchen』

これはモーサムの最高傑作…かもしれない。まだ二週間ちょっとしか聴き込んでないので評価を決めるにはまだ早いかもしれないが、たぶんこのアルバム、モーサム史上最も楽しい。「今や何でもあり状態となったモーサムのフリーダムな空気感を、そのまま真空パックでご自宅にお届け!」といった感じに仕上がっている。いろいろなインタビューを見た限りでは、今回は藤田勇主導のアルバムとのことらしいのだが、モーサムというバンドの”サムシング”はイサムが担ってるんだなと改めて気づかされた。

思えば前作『STRUGGLE』の制作前後からのこの二年間、モーサムのキーマンはずっとイサムだった。良くも悪くもイサムから目が離せない、そんなゆるいけど確かな緊張感がどこかしらにあったと思う。ファンとしてはそんな状況のモーサムにだいぶヤキモキしていたのだが、こんなおもしろいアルバムを作ってくれたのだから、そんなことはもう全部水に流すとしよう。

きっとバンドの仕切り直しという意味も強かったであろう、過去作の中では最もメッセージ性が前面にあらわれている『STRUGGLE』という硬めのアルバムの次に、こういったノーコンセプトのフリーダムロックをぶつけてくるあたりが何ともモーサムらしい。この良い意味での開き直りともとれる今のモーサムの傍若無人さを肌で感じたい人は、ぜひともライブ会場へ。私は今から「Electboys」で踊るのが楽しみでならない。