美しいミニ四駆を作るためにプラモデル用工具を本気で揃えてみた

前回書いた通りブラストアローを買ってミニ四駆に復帰したわけだが、目標である美しいミニ四駆を作るためにちょっと本気で工具を揃えてみた。

本来なら、外見なんかよりもグレードアップパーツをどうするかを考えるところなのかもしれないが、今回は速さよりも美しさが大切なので。あと、工具とかが大好きという個人的な趣味も大きい。

必要な工具リスト

工具はコストパフォーマンス重視で揃えてみた。ミニ四駆というだけでなく、これからプラモデル作りをはじめようとする初心者の方の参考にもなれば幸いだ。

ニッパー

買ったのはタミヤのモデラーズニッパーαという一般的な初心者用のニッパー。とりあえず何でも気兼ねなく切れるニッパーがひとつあるといろいろ便利らしいのでこれにしてみた。そういう用途であればもっと安いやつでもいいんだろうけど、タミヤ好きだしこれでいいかなと。

本当はプラスチック用の薄刃ニッパーがあるといろいろと捗るらしい。

薄刃ニッパーは切れ味が鋭い分、刃が繊細なので扱いに慎重になる必要があるらしい。また、結局のところランナーから切り離してゲート処理する際には、後述のモデラーズナイフを使うことになると思う。

なので薄刃ニッパーの使いどころが今のところなさそうだったので、今回は購入を先送りにした。パーツ数の多いMGのガンプラあたりだときっと恩恵があるのだろうが、とりあえずミニ四駆はパーツ数も少ないし、これから実際にいろいろやってみてそれでもやっぱり薄刃ニッパーが欲しくなったら買おうかなと思っている。

ちなみに買うならKEIBAのプラスチック用ニッパーのHN-D14かなと考えている。

KEIBAは金属加工業が盛んな新潟県で刃物の町として知られる三条市(ちなみに三条市の隣がカトラリーの町として有名な燕市)にあるマルト長谷川工作所といメーカーのブランドで、和風総本家の日本の職人特集とかが大好きな身としてはもうそれだけでたまらなかったりする。

ちなみにちなみに、プラモデル用の薄刃ニッパーの定番であるタミヤの薄刃ニッパーが実はKEIBAのOEMとの噂がある。また、タミヤの薄刃ニッパーの材質は高炭素工具鋼だが、KEIBAのHN-D14はバナジウム添加の特殊合金鋼マルトロイ(CR-V70Cクロームバナジウム鋼)。なのでHN-D14の方がクロムやバナジウムを使われている分、一般的な炭素鋼より高品質であり、また錆にも強いとのことらしい。

とはいえ、タミヤの薄刃ニッパーを持っているわけではないので実際のところどこまで切れ味などに違いがあるのかは正直わからないの。たが、こうやって情報を集めてみると値段もたいして変わらないし、だったら定番に走ることなくKEIBAを選んだ方が客観的にみてパフォーマンスが高そうな気がする。

デザインナイフ

これもいろいろ考えたが、結局定番のタミヤのモデラーズナイフにした。もうちょっと奮発して上位版のモデラーズナイフPROにしても良さかったが、個人的に刃が小さいものの方が好みだった。

あと、普通のモデラーズナイフより転がり防止の出っ張りが小さくなっていてスマートだが、逆にそれがどうにも心もとない感じにみえた。そんなに転がるのが嫌なのかと言われればそうでもないが、転がりにくいに越したことはない。

そして、PROの方はグリップのゴムが値段のわりに安っぽく感じた。エラストマー樹脂という特殊なものらしいけど、ゴミがつきやすそうだし。

もしモデラーズナイフPROのように大きな刃のものがいいというなら、私ならカッターで有名なオルファのオルファ リミテッドを選びたい。

タミヤのはいずれも柄が樹脂製だが、オルファ リミテッドはアルミ製で適度な重みもあり価格相応な作りだと思う。またグリップも真鍮&ニッケルメッキなのでゴミもつきにくいと思われる。

これまたちなみに、タミヤのデザインナイフ系製品はいずれもオルファのOEMとのこと。なので替え刃はオルファ製のものが使える。また、オルファの方がタミヤの同タイプのものよりどれもちょっとだけ安いのだが、オルファのはリミテッド以外は柄のカラーが黄色でどうも趣味じゃない。なので柄が黒でいかにも男の道具な感じのタミヤの方が好み。

ピンセット

今回はデカールに挑戦したいと考えているので、これも同じく定番といえるタミヤの精密ピンセットをチョイス。ストレートよりもツル首タイプの方が使い勝手がいいらしい。そこまで値段も高くないので、ちょっと高めのパーツを買った気分で良いものを買ってみた。

もしこれから本格的にデカールを貼ることを考えるなら、先端が薄いタミヤのデカールピンセットが便利そうだ。

ただ、タミヤのデカールピンセットは先端が鋭いので、デカールを痛めてしまう可能性があるらしい。その点、トライツールでおなじみのハセガワから出ているフィニッシュ ピンセットというものは先端が丸いので、デカールを痛めずにいい感じでつまめることができるそうだ。

とはいえ、こちらは値段がお高めなのがネック。しかも限定生産品とのこと。なので、なくなる前に欲しいといえば欲しいが、どうせ高いのを買うならもうちょっと用途の幅が広いものの方がいい気がする。まあ、とりあえず今のところは汎用性の高い精密ピンセットがひとつあれば充分かなと思うのでスルー。

そんな感じで高級ピンセットをいろいろ調べてみたのだが、ピンセットの世界もなかなか奥が深くておもしろい。ニッパーと同じく道具選びの醍醐味に満ちている。

なかでもアズワンやFONTAX、DUMONT、そしてRubisというメーカーのものがかなり良さげだった。アズワンは大阪の研究用機器などを扱う商社で、FONTAX、DUMONT、Rubisはいずれもスイスのメーカー。さすが時計王国スイス。ピンセットもハンパじゃない。ちなみにFONTAXのピンセットは生産終了らしく、市場に出回っているものがなくなったらそれで終わりとのこと。

なので、もし私が値段を気にせずに選ぶとするならFONTAXの材質がTAXALのものか、それと同等レベルのDUMONTの材質がDUMOXELのもの、Rubisの材質がAXALのものあたり。

どれもピンセットの値段と思えないようなビックリ価格だが、とにかく耐久性が素晴らしく、また肝心の掴みやすさもタミヤレベルのものとは別次元らしい。私が買ったところで「お前はそれで一体何を掴むんだ?」という話もあるが、そんな至高のピンセット、ぜひ一度体験してみたいところではある。

プラスドライバー

どこの家庭にもプラスドライバーの一本くらいあると思うが、値段もリーズナブルだし、ここはひとつ気持ちを盛り上げるためにタミヤのプラスドライバーのMサイズを購入。一見、プラスもマイナスも入っているセットタイプの方がお得に思えるが、ミニ四駆はプラスしか使わないのでこれ一本で充分らしい。

ザ・定番ともいえるANEXの精密ドライバーもちょっと考えた。

ただ、やっぱりグリップが大きい方が何かと使いやすいかなと思ってこれにした。ミニ四駆超速ガイドでも2012年のジャパンカップのチャンピオンが愛用ツールとしてこのタミヤのプラスドライバーを紹介していたので、間違いないだろう。

良いドライバーは具体的にどのあたりが良いのかというと、どうやら先端部の金属の剛性の高さらしい。先端部の剛性が高いドライバーはネジをナメずにきっちりと締めることができる。ドライバーなんてどれも一緒なんだから100均のものでもいいじゃないと思うかもしれないが、もう100円ちょい出せばタミヤのクラフトツールが買えるのだから、ここはケチったら損だと思う。

ちなみに、同じくタミヤから出ているTRF(タミヤレーシングファクトリー)シリーズのプラスドライバーはグリップのところが水色&アルミ製ですごくかっこいい。

だけど、値段がクラフトツールのもののおよそ10倍…!欲しいけど、これもまた「お前はそれで一体何を締めるんだ?」という話になりそうなので諦めた。

こんな感じで、「工具にはこだわるっ!」と息を巻いていたものの、揃えてみれば全部タミヤのクラフトツールだったりする。前述の通り、上を見れば切りがないのは工具の世界も一緒で、じゃあ用途とコストパフォーマンスを考えて一体どの辺りが妥協点なのかといわれれば、ことごとくタミヤのクラフトツールに落ち着くのだから、おそるべし田宮模型。さすが日本の模型を支えている。

もちろんいきなりもっと高い工具を揃えてもいいのだが、今回はなにぶん作るのがミニ四駆だということ、あと上記の工具はこれからさらに上位の工具を買ったとしても無駄にはならないスタンダードなものであるということを考慮してある。

メイクアップ材リスト

ここまでは工具だったが、ここからはサーフェイサーやらコンパウンドなどのメイクアップ材のリストとなる。使ってなくなるものなので工具ほどこだわり甲斐がないところなのだが、もちろんいろいろ考えて揃えてみた。

フィニッシングペーパー

これはタミヤのフィニッシングペーパーの一択で。安いので細目セットと仕上げセットを一緒に購入。

マスキングテープ

これもタミヤのマスキングテープで一択だと思う。ケースもついているし。幅は太すぎず細すぎない10mmを購入。

サーフェイサー

GSIクレオスのMr.サーフェイサーかタミヤのファインサーフェイサーあたりが王道。今回はクレオスの1000にしてみた。

ちなみにタミヤの方はプライマー入りとのこと。しかし金属パーツに吹く予定はないのでプライマーとかはあまり関係ない。また、タミヤのファインサーフェイサーはクレオスの1200くらいの細かさらしい。

クリアー

サーフェイサーをクレオスにしたので、これもクレオスのMr.スーパークリアー 光沢で揃えてみた。

コンパウンド

研ぎ出し用にタミヤのコンパウンド細目と、ハセガワのセラミックコンパウンドを購入。タミヤは荒目、細目、仕上げ目と3タイプあるが、タミヤの仕上げ目よりハセガワのセラミックコンパウンドの方がより細かいとのことなので、より研ぎ出しの際の仕上がりがよくなるかなと思ってハセガワの方にしてみた。

クロス

ハセガワのスーパーポリッシングクロスを購入。研ぎ出しの時に上記のコンパウンドをつけて使う。

コーティング材

最後の仕上げ用にハセガワのコーティングポリマーを購入。ここまでやれば完璧と思われる。

はっきり言って「ミニ四駆にここまでやるか?」レベルのことをやろうとしている部分があるので、特にハセガワのセラミックコンパウンドとかコーティングポリマーとかはちょっと大げさかもしれない。でも、せっかくならとことんまでやりたいので妥協せずに揃えてみた。

あると便利なテクニック本

最後に本の紹介。

テクニック本

プロモデラーの野本憲一さんによるプラモデル作りのテクニック本。基本的な工作法の他に、かなりいろいろな工具やメイクアップ材の基礎知識が丁寧に書かれてあり、その情報量たるやすごい。これから本格的にプラモデル作りをはじめようと考えている初心者モデラーの心強いバイブルになると思う。

工具にこだわる理由

別にいい工具を揃えたからといって、それだけで作品の完成度が高くなるというわけではないだろう。結局はそれをどう使うかという部分によるところが大きい。

では、どうしていい工具を選ぶのかといえば、それはいい工具は持ち手を裏切らないからではないだろうか。

この裏切らないとは、最終的にいえば失敗や怪我をしないということなのだろうが、つまりそれは自分の思った通りに手が動くことだ。そこにはものづくりの楽しさや快感がある。それを最大限に味わうためにも工具にこだわる価値はあると思うし、そうやって工具こだわること自体がまたひとつ別の楽しさにもなると私は思う。