独立する精神と精神の呼応 – 『ザ・マスター』感想

『ザ・マスター』という映画を観たのだが、とても難しかった。有り体にいえば、感覚的なタイプの映画だと思う。あるようでないようなストーリーを探りながら読みとく力が必要になるだろう。

観終わった直後はレビューなんて書けないなと思っていたのだが、時間が経つにつれて不思議と味わい深く感じるようになり、気づくといろいろ反芻していた。こういう部分がポール・トーマス・アンダーソン監督が評価される所以なのだろうか。

観る前にしておきたいこと

これから観ようと思っている人は、あらかじめ公式サイトで概要やストーリーを予習しておくといいだろう。ストーリーについては、かなり後半まで踏み込んで書いてあるが、大筋を頭に入れておくと追いかけるのが楽になるだろうし、より没頭できると思う。

また公式サイトには「観る前にご一読ください」というページがある。わざわざ制作サイドがそういっているのだから読んでおこう。

マスターとは何か

ポール・トーマス・アンダーソン監督はそこにこう書いている。

人は何かマスターという存在なしに生きられるか?もしその方法があるなら教えて欲しい。我々誰もがこの世をマスターなしで彷徨えるとは思えないから。

ここでいうマスターとは誰、もしくは何のことだろう。結局この映画へのアプローチはすべてここからはじまり、ここに還ってくるような気がする。

それは自分の人生の主人は自分であると忘れないことだと思うし、そういう意志であり、思考であり、また感触なのではないだろうか。この映画は独立する精神と精神の呼応を描いているのだと思う。あなたはどう感じるだろうか。ぜひ劇場で体験して欲しい。