森博嗣『ダマシ×ダマシ』感想 – Xシリーズの寂しさと切なさ
あの『χの悲劇』の衝撃から早一年。感想も満足に書けないまま、ただ時間だけが過ぎてしまった。そして今、こうやってXシリーズの最終巻を読み終わって残ったものは、やはり今回もまた叫びたくなるような衝動だった。すごい。すごいぞ森…
THE PRACTICE OF TRANSCEND ONESELF
あの『χの悲劇』の衝撃から早一年。感想も満足に書けないまま、ただ時間だけが過ぎてしまった。そして今、こうやってXシリーズの最終巻を読み終わって残ったものは、やはり今回もまた叫びたくなるような衝動だった。すごい。すごいぞ森…
クラッシュ・ギャルズという名前は知っている。もちろん長与千種とライオネス飛鳥の名前も知っている。でも、彼女たちのプロレスは観たことがない。そもそも女子プロレス自体にあまり興味がない。そんな私が読んでもこの『1985年のク…
最近またオウム裁判のニュースを目にする機会が増えたことで、昔から感じている宗教に対する漠とした疑問が頭をもたげる。だからきっとこのタイミングで『仮想儀礼』という新興宗教を題材にした小説を手に取ったのだろうと読み終えた今に…
フジテレビで日曜の昼すぎに「ザ・ノンフィクション」というドキュメンタリー番組がやっていて、好きなのでわりとよく観る。きっと視聴率的にはあんまり芳しくないだろうこの時間帯に、こういうおもしろい番組をやっていること自体とても…
えらく評判がいいとのことで読んでみた。いとう氏の作品を読むのはこれが初めて。扱っている直接の題材は東日本大震災のことなのだが、もっと広い意味での生者と死者との関わりあいについて書かれている作品だと考えてもいいと思う。これ…
『冷血』という作品、感想が非常に書きにくい。それはネタバレ回避で感想を書くのが難しいとかそういうレベルの話ではないし、そもそも本書には避けるべきネタバレのような要素はないだろう。 読み終えてからずっと感想をうまく書けない…
「冒険」という二文字に、私たちはいったい何をイメージするだろう。ジャングル、アマゾン、インディー・ジョーンズ。イメージするものは人それぞれ違うだろうが、私のなかの冒険はいつもテレビの向こう側だったり、本やゲームや映画の中…
今さら私なんかが言う必要はないのかもしれないけど、それでも言わずにはいられないのは、高村薫の『レディ・ジョーカー』という作品が日本文学史に残る紛れもない大傑作だということだ。こんなにおもしろくてすごい小説は滅多にない。読…
横山秀夫の作品はこれまであまり縁がなかったのだけど、最新作『64』の評判がとてもいいので読んでみた。結論からいうと、評判に違わぬ力作だった。 新刊が出るのは実に七年ぶりとのことで、既存の横山ファンの方はもちろんのこと、私…
森博嗣のGシリーズ最新刊『ジグβは神ですか』の感想を一言でいうと、せつない。Gシリーズの読後感ってこんなにせつなかったっけ?思い出そうとしても、前作『目薬αで消毒します』を読んだのは4年以上前のこと。覚えていることの方が…