あの日、浅田真央が立っていたエクストラステージ

そうあの日、最近ハマっている『ゲーム・オブ・スローンズ』のDVDを一旦停止してまで真夜中にテレビをつけたのは、演技の順番が比較的浅い時間だったのでせっかくだからという理由だけではなく、やはり彼女のオリンピックを最後くらいは生で見届けたいという気持ちがあったからだと思う。

そうやってあの日、浅田真央のフリーを見守っていた日本中、いや世界中の人たちがきっと、彼女が心から納得のいく演技ができることを祈った。そして彼女はそれに見事に応え、きっと後世まで語り継がれることになるであろう素晴らしい演技をみせてくれた。

フィギュアスケートに明るくない私がみても、あの4分間は完璧な出来事に感じられた。特に最終盤、会場から手拍子が起こるあたりからフィニッシュにかけては神懸かっていたと思う。観てよかったと心から思えた。

金メダルより美しいもの

これはスポーツに限らず、どんな場面においても客観的な結果はとても大事だ。だがそれと同じくらい、もしくはそれ以上に「自分が納得できたかどうか」という主観的な結果も大事なのだろう。

自分さえ納得できれば、自分自身を許すことさえできたなら、それがたとえどんな結果であれそこがその時の自分の着地点になる。あの日の彼女の涙が彼女がその着地点からこぼれ落ちたものなのだとしたら、それは時として金色に輝くメダルよりも美しいものなんだと私たちは彼女に教えられた。

ただ、それでもあの涙は誰にでも流せるものじゃない。