悔しさが若者たちを強くする – 『弱虫ペダル』の新章に刮目せよ

もうね、心から思った。インターハイが終わった時点で単行本を買うのやめないで本当によかったって。この31巻、下手したらインターハイのゴールシーンより感動したよ。いやマジで。手嶋VS葦木場のところもよかったけど、まさかここにきて杉元で泣かされそうになるなんて思わなかった。

インターハイ以降の新展開には目を見張るものがある。御堂筋くんの変身(個人的にはフリーザみたいにあと二回は変身を残してると予想)はまた別として、前述の手嶋しかり、今巻の杉元しかり、モブキャラクターだとばかり思っていた彼らをしっかりと成長させることで非常にうまく盛り上げていると思う。

すべてはあの時にはじまっていた

とはいえ、そんな手嶋や杉元の急成長を、いかにもなマンガチックなご都合主義だと感じる人もいるかもしれない。しかし、私にはそれがとても自然なことのように感じられる。彼らの覚醒的ともいえる目覚まし成長は、インターハイのゴールシーンで撒かれた種が芽吹いた結果であり、そこから一直線に繋がっているからだ。チーム総北の第二章はあの瞬間からはじまっていたんだと思う。

坂道のゴールシーンは、よくよく考えると今泉も鳴子も三年生たちも直接は目にしてていない。あの歓喜の瞬間をその目で見届けたのはレースに出ていないサポート側の手嶋と青八木と杉元だった。

偉業を成し遂げたと同時に崩れ落ちたボロボロの後輩を抱き上げた手嶋は、あの時何を思っただろう。初心者とどこか下に見ていたチームメイトが拳を突き上げて頂点に立った。それは杉元の目にどう映っただろう。

もちろん嬉しかったに違いない。あの時はそれがすべてだろう。でもはたしてそれだけだろうか?悔しかったんじゃないだろうか?そしてその悔しさが人を短期間の間に見違えるほど成長させるというのは決してない話ではないと思うし、この可能性こそが若さなんだと思う。

仲間が自分のなかの何かを変える力になる。炎が飛び火するように、熱い気持ちが誰かの心に燃え移る。そうやって強いチームは出来上がっていくのかもしれない。

次の32巻は正月明けに発売とのこと。表紙はなんと杉元!杉元が表紙を飾る日がくるなんて、いったい誰が想像できただろう?今回の1年生レース、杉元に勝たせてあげたい!っていうか絶対勝つって信じてる!!